導入事例のご紹介
日本特殊陶業株式会社 様
自社開発のeラーニングコンテンツによる、社員の学習意欲を引き出す環境づくり。
日本特殊陶業株式会社は、製品の海外売上が総売上の80%を占め、海外拠点も数多く持つ国際的なメーカー。昭和11年に日本碍子株式会社(現日本ガイシ株式会社)のスパークプラグ製造部門が分離独立する形で発足し、車やバイクに搭載されているスパークプラグで世界シェアNo.1を誇る。
設立 : 1936年(昭和11年)10月
業種 : スパークプラグ、ニューセラミック等の製造・販売
従業員数 : 5,439名
http://www.ngkntk.co.jp/
- 開催場所は個々のスキル格差など、集合研修が抱える4つの問題を解決のためにeラーニングを導入。
- 遊び感覚で楽しみながら習得したコンテンツ作成スキルで、スピード開発。
- 思わぬPR効果を発揮したQC活動のeラーニングコンテンツ
開催場所は個々のスキル格差など、集合研修が抱える4つの問題を解決のためにeラーニングを導入。
同社は世界に通用する人材育成に向け「国際事業要員制度」を確立、英語や中国語研修などを積極的に展開している。研修熱心な同社がeラーニングに初めて目を向けたのは平成14年の春。社員のIT研修を手がける情報システム部が先駆けとなった。導入のきっかけは、それまで実施していたパソコンの集合研修が抱えていた課題にあった。「情報システム部ではMS
Office製品、グループウェア、その他情報システム部推進ソフトの集合研修を実施していますが、ここ数年、受講者が減ってきています。従業員全体のOAスキルが向上したという理由なら良かったのですが・・・」というのは情報システム部主任の掛布氏。集合研修の受講者アンケートから判断すると、受講者の減少は4点の問題が考えられたという。1点めは、2ヶ月毎の定期コースのため、都合のよいタイミングで受講できない点。2点めは、開催場所が本社工場・小牧工場に限定されているため、それ以外の拠点の従業員は出張しないと受講できないという問題。3点めは、受講者間のスキル格差のために、自分のペースで受講できない点。最後4点めは、集合研修形式であるために、丸一日職場を離れて受講しなければならず、職場の理解が得られにくい点がある。全国に拠点を持つ大手の企業に共通した課題といえる。「eラーニングは、それらの課題を解決してくれる魅力あるツールと判断し、導入に踏み切りました」。
最初の教材は、それまで社内で教材を作成し、講師を行っていたパソコンの操作研修である。Microsoft
OfficeのうちExcel、Word、PowerPoint、Accessの各アプリケーションの操作研修については、それぞれ初級と中級の2つの段階に分けて研修を実施していた。eラーニング化するにあたっては、その集合研修用の段階分けは使わず、一からカリキュラムを立て直している。カリキュラム設計と教材開発を行った青山氏が振り返る。「集合研修を実施していたときの問題点として、受講者のレベルの差が大きいということがありました。レベルにばらつきがあると研修はやりづらく、受講者にも教える側にも不満の要素になっていました。そこで、eラーニング化に際しては、今までのカリキュラムを一切白紙に戻して設計し直しました。その結果、それぞれの研修を細かく5段階に分け、5級から1級までの級制度を取り入れることになりました」。級の制度を取り入れたのは、ひとつずつ目標を達成しながら、ステップアップしている実感を得ることで、学習意欲を持ってもらいたいという『親心』のようだ。また、その級も、単にスキルの難易度で区切るのではなく、分かりやすい具体的な目的別に分けた。例えば、5級は、決められたフォームに入力する作業に限定し、3級では、Microsoft
Office Specialist合格を目指す、という具合に明確な目標が設定されている。
遊び感覚で楽しみながら習得したコンテンツ作成スキルで、スピード開発。
コンテンツ作成は、情報システム部本社担当の青山氏、鈴木氏、小島氏、そして小牧担当の熊崎氏の計4人を中心に行っている。コンテンツ作成担当者の研修メニューとしてFOMが提示したのは、全3項目。全日程で約5日間のセミナー受講から始まった。コンテンツ作成について経験のなかった青山氏。一体、どのようにして習得したのだろうか?「まず、アニメーションやシミュレーションを作るためのFlashやActive
Scriptのセミナーを受講しました。最初は教材づくりのことは忘れて、まずはいろいろと遊びながら、習ったことを試しました。遊んだことを、部内で勉強会を開いて他のメンバーに伝授しました」。初心者にはとっつきにくいツールを前にして、『遊び』ながら習得しようとした青山氏の姿勢は、eラーニングにおける学習の秘訣とも重なる。一通り必要なツールの研修を受けた後、FOMのコンテンツ作成支援サービスを受けながら、コンテンツ開発に取り掛かる。「技術的なことについて、丁寧に教えてもらえました」と青山氏。技術をマスターした後は、開発メンバーでコンテンツのシナリオを議論しながら設計し、分担して中身を作成した。青山氏以外のメンバーは兼務で携わっていたため、ひと月に10時間程度しか作業時間が取れない。にも関わらず、Flashを駆使し、シミュレーションを取り入れた学習コンテンツを1画面平均2時間というスピードで作りあげている。この成功の影には、社内研修に対する担当者の熱い想いがある。「学習したいと思う意欲の芽を潰さずに、職場・職種に関わらず、誰もが必要だと思ったときに学習できる環境を作りたいと思っています。社内ではいろいろな研修が実施さ
れています。でも、どうしても遠隔地の部署には薄くなりがちです。特に製造部門は、ラインのスケジュールを止めることには消極的です。そんな厳しい環境でも、わからないことがあったら、即、調べられるツールとしてeラーニングを普及させたいと考えています」と青山氏は語ってくれた。eラーニングを普及させるのにコンテンツが重要なのは言うまでもないが、良いコンテンツを作るためには、担当者の明確な目的意識が必要であることを感じさせられる。
![]() 教材の全ページにあるLet's Clickのボタンは、Flashによるシミュレーションである。 |
思わぬPR効果を発揮したQC活動のeラーニングコンテンツ
せっかく導入したeラーニングシステムを、パソコン研修だけで占有するのはもったいないと考え、情報システム部では全社への普及も検討していた。そんな中、社内会議を利用して、eラーニングの紹介することになった。が、正面からeラーニングを紹介すると、拒否反応が出るだろうと予想される。そこで、たまたま小島氏が参加していたQC活動がゴミの分別で、教材作成には打ってつけと考え、デジカメでいろいろなゴミの写真を撮り、コンテンツ化し、QC活動の報告の中で紹介した。これが非常に受けて、発表してから1週間以内に3部署から問合せが入ったという。新しい技術というのは、ともすれば難しく捉えられ敬遠されがちで、eラーニングの普及を阻んでいる要因にもなっている。誰にでもわかる内容で、しかもデジカメ写真でゴミの種別がひと目でわかる教材に仕立てあげて紹介し、他部署の関心を引いたのは見事である。この結果、情報システム部以外のeラーニング化計画として、平成16年度には、品質保証部の『品質保証マニュアル』や、知的財産部の『特許法』など次なるターゲットも控えている。
![]() 社内で評判になった「ゴミの分別」コンテンツ。 写真で実物を確認できるので、ゴミの種別が一目瞭然。 |
「今年は、情報セキュリティポリシーをコンテンツ化したいと考えています。また、人材研修や環境研修がeラーニング化されていけば、全社研修システムとして定着してゆくものと考えています。今後は社員のパフォーマンスを向上させる人材育成、研修のあり方が重要になってくるのは明白であり、今回導入したeラーニングシステムがその一助になればと思っています。今後、Internet
NavigwareにLMS(Learning Management System)機能が盛り込まれることになれば、ぜひ当社でも有効活用し、当社の企業戦略・人事戦略に適合する人材開発ができればと期待しています」と掛布氏。同社のeラーニングシステムが全社研修システムとして花咲くのもそう遠い先の話ではなさそうだ。



