導入事例のご紹介
株式会社ベル様
「先生、こんにちは」
挨拶から始まるインターネット上のパソコン教室づくり。
株式会社ベルは、愛知県名古屋市内より昔の情緒を残すローカル線で1時間ほど、碧南市、名鉄三河線新川町駅前に教室を構える。パソコン教室のほか、学習塾、音楽や絵画など各種文化教室を展開する総合カルチャーセンター。生徒数700名。老若男女問わず、幅広く地域住民の文化・教養の充実に貢献している。
設立 : 1991年
業種 : パソコン教室、カルチャーセンター
http://www.katch.ne.jp/~ccb/
- 運用のわずらわしさから解放され、生徒には安心感を提供できる。教室内でのeラーニングでもさまざまなメリット。
- 通学がままならない人が多い。教材の中心はeラーニング。インターネット上の展開は当然の成り行き。
- MSNメッセンジャーによる講師とリアルタイムにやりとりできる研修環境を実現。
- インターネット上でも『挨拶』で始まり『挨拶』で終わる研修環境を求めて。
運用のわずらわしさから解放され、生徒には安心感を提供できる。教室内でのeラーニングでもさまざまなメリット。
のどかな雰囲気に包まれた新川町駅に降り立つと、鮮やかな黄色の建物が目に飛び込んでくる。ここが、受験指導から音楽や絵画、お茶やお花といったお稽古事、そしてパソコン指導を行っている「カルチャークラブ・ベル」の本部教室。そして「インターネットを活用して商圏を広げたい」と熱く語るのが、この教室を運営する株式会社ベル・代表取締役の山田氏。自らの研修ビジネスについて語り始めると、次から次へとあふれる言葉に情熱が感じられる教育者であり、新しいことへの取り組みをためらわない経営者でもある。まずは、教室でおこなわれているパソコン講座をのぞいてみることにした。
教室では、数名の生徒さんが画面に向かいそれぞれの課題に取り組んでいた。それぞれ自分の都合のよい時間に来たという。ここでは、複数の生徒に対し一斉に授業をすることはない。教室には、好きな時間にやってきて、好きなだけ学習をして帰っていく。教材はFOM出版の「よくわかる」シリーズのテキストと、その内容に準拠したeラーニング講座。教室のパソコンから、ASPで提供されているeラーニング講座にアクセスし、自習する。「よくわかる」シリーズのeラーニング講座では、各機能について、動画による解説と操作シミュレーションが繰り返される。これを理解できるまで何度も繰り返し学習した上で、今度は、実際のマシン環境でドリル演習を行い、最後の仕上げとする。自習中に疑問が生じた場合には、教室内に待機している講師にいつでも質問できる。
ASPサービスを採用した理由としては、eラーニングサーバの設置が不要で初期投資が要らないことや、教材管理やID発行など運用面でのわずらわしさから解放されるというのが大きかった。また、生徒一人一人の希望に応じて1コースから気軽に申し込むことができる点も魅力だったようだ。生徒にとっても、教室で学習したことを自宅でもインターネット環境を通じ、同じ教材で復習ができるというメリットがある。自習が基本ではあるが、操作に行き詰まった時には、教室内に待機する講師にいつでも質問できる。いつも傍に講師がいるという安心感が生徒のやる気を引き出している。
通学がままならない人が多い。教材の中心はeラーニング。インターネット上の展開は当然の成り行き。
「講師も楽になった」と山田氏。「eラーニング教材には、機能ごとに解説とシミュレーションが入っています。自習しやすい教材だと思います」という。だが、狙いは、単に教室でのパソコン指導の充実にあるわけではない。本来の目的は、教室に来ることのできない人に受講の機会を広げるところにある。「今の通学講座でのeラーニング学習のスタイルを、そのままインターネット上で展開したいと考えています。生徒さんは、社会人や就職活動中の学生がほとんどです。通学もままならないという人が多い中、教材の中心がeラーニングであれば、なおのことインターネット上で展開したいと考えるのは当然でしょう」と山田氏。イメージしているのは、ネット上の擬似教室だ。そして山田氏は平成13年春、インターネット上にパソコン教室を展開した。
MSNメッセンジャーによる講師とリアルタイムにやりとりできる研修環境を実現。
インターネットで展開するパソコン教室というと、よくあるのがeラーニング教材で自習させて、質問についてはeメールで対応するという形態。が、「カルチャークラブ・ベル」のそれは違っていた。山田氏がこだわったのは、実際のパソコン教室で行われている学習形態をそのままインターネット上で展開すること。そのため、「自習教材(eラーニング)」に加えて、「リアルタイムで講師とやりとりができる環境」をめざした。教室で採用しているのと同じeラーニングの教材に加えて、講師とのやりとりについては、MSNメッセンジャーを活用。MSNメッセンジャーは、マイクロソフト社より提供されている無料のソフト。インターネット上でリアルタイムに会話したり、アプリケーション共有機能により相手の画面を参照したり、一緒に操作をすることができる。この機能を使えば、学習の中で疑問や質問が湧いたときに、気軽に講師を呼び出し、質問することができる。待機している講師は、状況に応じて生徒のパソコンを講師が遠隔操作しながら、パソコンの操作方法を教えることができる。「自宅の部屋などで一人、eラーニングに取り組んでいるときに、声を掛ければいつでも応えてくれるという安心感があるのがいいようですね。マンツーマンのため、通常の教室での学習に比べて受講料は高額ですが、反響は上々です」と山田氏。
![]() MSNメッセンジャーを利用したeラーニング。 |
教室に通って勉強している人の中には、講師が横につくと緊張する人も少なくない。インターネットではそういった不要な緊張から解放され、学習に専念することができるようだ。また講師も、生徒の画面がそのまま見える上に、相手の画面を一緒に操作することができるので、遠隔ながら楽に教えられるようになっている。唯一の課題は、メッセンジャーの設定や、基本的な使い方の指導など、準備段階だけだという。山田氏はこれについて、「近い将来、全てのパソコン指導をインターネットで行い、各地の小さなサテライトオフィスで事前設定と準備指導のみ行うという形態にしたいと考えています」と話す。
インターネット上でも『挨拶』で始まり『挨拶』で終わる研修環境を求めて。
しかし、そうなるには、もう一つ課題があるようだ。「私が望んでいるのは、ネットの擬似教室を実現するようなポータルサイトです。ログインすると、ネット上の講師と即座につながって、『先生、こんにちは』『あ、こんにちは。今日もお元気そうですね』というような挨拶を自然に交わしてから、学習を始める。こういった『挨拶』は教室ではごく当たり前のことですが、インターネット上で学習する場合においては最も必要なことだと考えています。学習中も生徒がメッセージを送ると、待機している講師が即座に対応します。そして、学習が終わったら、『先生、さようなら』とまた声をかけてからログアウトする。講師とコミュニケーションを取ることで時間にけじめがつけられます。やはり適度な緊張感と励ましが学習には必要です。eラーニングという、どことなく無機質な環境においては、講師のほんのひとことに何となくホッとさせられる。そんな暖かさを大事にしたいと考えています」。
こんなデータもある。「例えば、通学生の学習とeラーニングの受講生を比較した場合、1回あたりの勉強時間にかなり差があります。通学生は、大体1回当り90分程度で2章分の教材をこなすのが普通。一方、eラーニングでの学習は30分位が限度のようです。一人で学習を始めて、一人で終わるというスタイルでは、集中力がこの程度しか持たないのでしょう」。挨拶で始まる学習スタイルが実現すれば、インターネットでも教室での学習と同じ集中力と持続力を得られるはず。「大切なのは、教室環境そのままの授業をインターネット上で行うことなのです」と語る山田氏の目は、自信と希望に満ちていた。


